診療圏調査の数値ほど患者さんが来院しません。どうしてでしょうか?
こんにちは。税理士の竹居です。
開業1年を経過したクリニックの院長先生からのご質問です。
開業前に診療圏調査をして貰ったところ、一日平均35人の患者さんが来院する予定と出ましたが、蓋を
開けてみると一日20人足らずに低迷しています。
どうしてでしょうか。
この手の話は良く聞きます。まず、診療圏調査とは開業しようとするクリニックの診療圏に居住する
人口を年代別に分類します。年代別の人口に受療率を掛けたものが潜在患者数です。その潜在患者
の人数を診療圏内に存在する病院・クリニックの数に自院を加え、何人程度の患者の来院を見込める
かを予測するものが診療圏調査です。診療圏をどこまでとするか、競業のクリニックの実力をどの程度
にするかによって来院数値は変わって来ます。
製薬会社や卸会社が行っている無料の診療圏調査は人口データや開業情報が古い場合が多く、
正直なところ、現実的な数値ではないことの方が多いです。
診療圏調査は、あくまで参考程度に考えた方が良いと思います。
逆に診療圏調査で採算が取れないと言われた場所で開業して、繁盛クリニックになった医療機関は
たくさんあります。業者任せではなく、先生が開業しようとする場所に何度も足を運び、周辺地域の方々
と長きに渡り付き合っていく覚悟があるかの方がはるかに重要です。
開業後も熱意を失わず努力を続ければ、医療機関の場合は他の業種よりまだまだ結果が出やすい
というのが私の考えです。
ただし、診療圏調査の結果がすぐに実現するほど、開業の世界は甘くないです。